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大阪地方裁判所 平成8年(わ)3913号 判決 1997年9月26日

本店所在地

大阪市天王寺区空堀町三番九号

株式会社イマージュ

右代表者代表取締役

井口恒一

本籍

和歌山県日高郡川辺町大字江川二、二一三・二、二一一番地

住居

奈良県生駒市萩の台四丁目八番二二号

会社役員

井口恒一

昭和一九年七月一九日生

主文

被告人株式会社イマージュを罰金一二〇〇万円に、被告人井口恒一を懲役一年に処する。

被告人井口恒一対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告人株式会社イマージュ(以下、被告会社という。)は、大阪市天王寺区空堀町三番九号に本店を置き、広告デザインの企画・印刷請負業等を営むもの、被告人井口恒一(以下、被告人という。)は、被告会社の代表取締役として業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一  平成五年五月一日から平成六年四月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億三七八四万六七五八円(別紙一の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が五〇八五万六八〇〇円(別紙一の2税額計算書参照)であったにもかかわらず、架空の仕入高を計上するなどの行為により、その所得の一部を秘匿した上、同年六月三〇日同市天王寺区堂が芝二丁目一一番二五号所在の所轄天王寺税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が四九五八万七二一〇円(別紙一の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が一七七五万九七〇〇円(別紙一の2税額計算書参照)である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定の申告期限を徒過させ、もって、不正の行為により、別紙一の2税額計算書記載のとおり、右事業年度の法人税三三〇九万七一〇〇円を免れ

第二  平成六年五月一日から平成七年四月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億〇二九五万八五三六円(別紙二の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が三七七七万五八〇〇円(別紙二の2税額計算書参照)であったにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同年六月三〇日に前記天王寺税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が四七二九万七五三八円(別紙二の1修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が一六九〇万三〇〇〇円(別紙二の2税額計算書参照)である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定の申告期限を徒過させ、もって、不正の行為により、別紙二の2税額計算書記載のとおり、右事業年度の法人税二〇八七万二八〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

かっこ内の番号は検察官の証拠請求番号を示す。

判示事実全部について

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官調書三通(乙一ないし三)

一  井口清美(二通、甲四三、四四)、濱野克志(甲四五)及び森本宏一(甲四六)の各検察官調書

一  大蔵事務官作成の査察官調査書二〇通(甲五、八、一〇、一九、二三ないし二五、二七、二九ないし三九、四一)及び報告書(甲四二)

一  登記官作成の法人登記簿謄本(乙四)

判示第一の事実について

一  逸崎廸彦(甲四七)及び宮田八郎(甲四八)の各検察官調書

一  大蔵事務官作成の査察官調査書一五通(甲六、七、九、一二ないし一八、二〇ないし二二、二六、二八)

一  収税官吏作成の脱税額計算書(甲一)

一  天王寺税務署長作成の証明書(甲三)

判示第二の事実について

一  森田庄次の検察官調書(甲四九)

一  大蔵事務官作成の査察官調査書通(甲一一、四〇)

一  収税官吏作成の脱税額計算書(甲二)

一  天王寺税務署長作成の証明書(甲四)

(法令の適用)

被告人の判示各所為は、法人税法一五九条一項に該当するところ、いずれも所定刑中懲役刑を選択し、以上は、平成七年法律第九一号(刑法の一部を改正する法律)附則二条一項本文により同法の改正前の刑法(以下、旧刑法という。)四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役一年に処し、情状により旧刑法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右両名の刑の執行を猶予することとする。

さらに、被告人の判示各所為は、被告会社の業務に関してなされたものであるから、被告会社については判示各所為につき法人税法一六四条一項により同法一五九条一項所定の罰金刑に処すべきところ、情状により同条二項を適用して右の罰金額はその免れた法人税の額に相当する金額以下とし、以上は旧刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で被告会社を罰金一二〇〇万円に処することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(出席した検察官 宮田誠司、求刑被告人につき懲役一年、被告会社につき罰金一八〇〇万円)

(裁判官 伊元啓)

別紙一の1

修正損益計算書

<省略>

別紙一の2

税額計算書

<省略>

別紙二の1

修正損益計算書

<省略>

別紙二の2

税額計算書

<省略>

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